数学

半正多面体はいくつあるか?

投稿日:

今回は、正多面体の制限を少し緩くした、半正多面体についての話をするのだが、その前に正多面体のおさらいをしよう。

正多面体の条件

  1. すべての面が同じ正多角形
  2. 1つの頂点に集まる面の数が同じ

という2つの条件を満たす凸多面体のことであった。

以前、正多面体は5つしかないことの証明を書いた。

さて、先ほどの正多面体の条件を少し緩めたものを半生多面体と呼ぶ。

どのように緩めるかというと、先ほどの条件のうち、「すべての面が同じ」という条件をなくすのだが、すべての面が正多角形であるという条件は外さないままとする。

すると、先ほどの2条件は次のように置き換えられる:

半正多面体の条件(仮)

  1. すべての面が正多角形
  2. 1つの頂点に集まる面の数と種類が同じ

今度は、面がすべて同じではないので、2の条件も数が同じというだけではなく、数と種類が同じという条件に置き換わる。

例えば、これは立方八面体と呼ばれる多面体だが、すべての頂点に対して、1つの頂点に2つの正三角形と2つの正方形が集まっている。

このように緩めた条件を満たす凸多面体を半生多面体と呼ぶ・・・と言い切れれば良かったのだが、実際にはある問題が生じる。

その問題とは、「半正多面体の条件(仮)」を満たす多面体が無限に存在してしまうことである。

以下の多面体を見てもらいたい。

これらは、五角柱と反五角柱である。

五角柱の場合、底面が正五角形、側面が正方形になるように辺の長さを調整すれば、1つの頂点に集まるのは正五角形1つと正方形2つになり、「半正多面体の条件(仮)」を満たしてしまう。

同様に、反五角柱の場合も、底面が正五角形、側面が正三角形になるようにすれば、1つの頂点に集まるのは正五角形1つと正三角形3つになり条件を満たす。

これの何が問題かと言うと、これが五角柱と反五角柱だけに限らないということである。

3以上のNについて、正N角柱と正反N角柱も、「半正多面体の条件(仮)」を満たすのである。

これによって、「半正多面体」は無限に存在することになってしまう。

別に無限に存在してても問題はないのだが、正多面体が5個しかないことを思うと、その拡張としての半正多面体も有限個であってほしい気もする。

ということで、角柱と反角柱は半正多面体の定義から例外として抜くことにしよう。

半正多面体の条件(改)

  1. すべての面が正多角形
  2. 1つの頂点に集まる面の数と種類が同じ
  3. ただし角柱と反角柱は除く

さて、半正多面体の定義はこれで良いだろうか?

実は、まだ少し気持ち悪い点が残っているのである。

これについては次回説明しよう。

今回はここまで!

-数学
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

準正多面体?半正多面体?どちらが正しい?

正多面体の1種類の正多角形で出来ているという制限を緩くすることで、アルキメデスの立体と呼ばれる13種類の多面体が得られる。 これらは、「半正多面体」と呼ばれることもあるのだが、一昔前の本や文献を見ると …

菱形十二面体 その3

前々回、前回に引き続き、今回も菱形十二面体の話をしよう。 前回、菱形十二面体の内部には立方体が隠れていると書いた。 今回は、立方体以外の部分に注目したい。 下の図のように、立方体以外の部分は、6個のピ …

菱形十二面体 その4

菱形十二面体菱形十二面体 その2菱形十二面体 その3 今回も菱形十二面体の話をしよう。 前回は、菱形十二面体の内部に立方体が隠れており、その残りの部分のピラミッドを6個集めると同じ大きさの立方体が組み …

正多面体が5つしかない理由・オイラーの多面体定理を用いた証明

前回、1つの頂点に集まる面の種類と数を考えることで、正多面体が5種類しかないということを証明した。 今回は、別の方法で同じことを証明しようと思う。 そのために、次の定理を用いる。 オイラーの多面体定理 …

菱形十二面体 その6

これまでの記事↓菱形十二面体菱形十二面体 その2菱形十二面体 その3菱形十二面体 その4菱形十二面体 その5 今回も菱形十二面体の話をしよう。 今回は、菱形十二面体の各菱形の辺から中心に向かって切って …